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<<   作成日時 : 2008/12/14 16:31   >>

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12月10日の世界人権宣言デーに合わせ、中国で全面的な民主化を求める署名入りの要求がインターネット上に登場した。最初の署名人は303人。何の後ろ盾もなく実名をさらして命がけだが、第二次、第三次、第四次とどんどん増え、今では2500人を超えている。
以下、原文と日本語訳。
http://chinainperspective.net/ArtShow.aspx?AID=92
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/597ba5ce0aa3d216cfc15f464f68cfd2
関連記事は御家人さんの「日々是チナヲチ」に詳しい。

もはや止むにやまれぬ状態なのはわかるし、その勇気には感嘆するしかないが、経済面からいえば、今は非常によくないタイミングだ。世界は大不況の真っ只中で、中国の安定と内需拡大を本気で期待していて、アメリカは中国に米国債を売却されることを(その可能性が少ないことを確認しつつも)本気で怖れている。それは、たとえば中国の核兵器よりも深刻な脅威になっている。
アメリカであれイギリスであれ、中国が今、国内の人権活動家を弾圧しても、それに対して儀礼的な反発は起こすだろうが、本気で経済制裁をしようという動きは起こせないだろう。それは日本も同断だ。

政治的なリアリズムからいえば、中国は民主化するにはまだ少し早い。2007年の一人当たりGDP(IMF公表)を比較すると、
中国 2460ドル(世界104位)
タイ 3736ドル(88位)
マレーシア 6947ドル(62位)
ロシア 9075ドル(53位)
台湾 16606ドル(37位相当)
韓国 19750ドル(34位)
香港 29650ドル(27位相当)
日本 34312ドル(22位)
(Wikipedia「国の国内総生産順リスト」より)
一人当たりGDPが一万ドルを超えないと、政治運動が活発化しても、一般国民は民主化よりも経済と生活を優先することに陥りやすい。現にタイは民主的な選挙を行っても、軍部などによる強権発動が常に起こってくる。
中国沿海部は台湾と同程度の一人当たりGDPになっているかもしれないが、内陸には一人当たりGDPが500ドルにも満たない貧農がドカンといるはずだ。
中国と一口に言っても、あまりにも広大であり、経済的にも格差の拡大が激しすぎて、政治に対する意識もまったく違う。輸出産業や不動産に携わる人々の失業への恐怖と、この高邁な08憲章とは、どのように結びつくのだろうか。
この憲章に署名した人々が、せいぜい一定期間拘留される程度で釈放され、次の機会を待って爪を研いでおくことを祈るばかりだ。

正直なところ、私は、中国の民主化については、台湾が中国と一体となり、選挙で共産党、国民党、民進党などが闘って、台湾の政党が政権をとることが一番の早道だと思っている。
そこに至るまでには様々の困難が伴うが、そうでもしないと、中国の民主化運動は、フランス革命に匹敵するような群集蜂起の繰り返しと大量の流血を招きかねない。
これは極論のようだが、経済圏としてすでに台湾と中国が一体化しつつある以上、台湾主導で政治的にも一体となることが望ましい。
しかし、そんなことが本当にありうるのだろうか。私は、可能性は少なくともゼロではないと思っている。インターネットを通じて、世界の情報が絶えず入るようになっているし、政治の民主化が日程に上ってくるようになれば、自ずと台湾の政党政治が視界に入ってくるはずだからだ。

私は李登輝氏を尊敬している。日本人のいいところを純粋に受け継いでくれた稀有な政治家である。彼の後継者によって、彼の政治理念が中国で実現されることが、今世紀の東アジアの平和と安定にとって、一番望ましいと信じている。



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