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zoom RSS 写真で見る「北方領土」2〜エトロフ編〜

<<   作成日時 : 2009/05/18 02:13   >>

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ハードボイルド作家・志水辰夫のデビュー作『飢えて狼』(1981年)は、択捉島が舞台である。
択捉島西部に萌消湾という直径数キロの噴火湾がある。周囲は高さ500mの赤茶けた火山岩の絶壁で、主人公はそこをロッククライミングで登って、原生林の茂る択捉島に侵入する。
択捉島は国後島の2倍以上あり、西部と東部はロシア人でも入ることのできない自然保護地域に指定されている。
それゆえ人跡未踏の地も多いが、国後島と異なり、択捉島は水産加工業が活況を呈し、人口が増加している(約1万人)。
ここで択捉ドリームを実現し、島の政治経済を牛耳っているのが、ギドロストロイ社の社長、アレクサンドル・ベルホフスキーである。
ギドロストロイ社。「クリールはロシアの領土」と書かれている(産経新聞より)。
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ギドロストロイ社の水産加工場内部(スラブ研究センターニュースより)。溯上する鮭をとらえて加工している。2005年3月に別飛(レイドボ)の工場は全焼したというが、この写真はその後のもの。
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水産加工場。ブログ住まいの窓より。かなり広い。
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夏の三ヶ月間、鮭を1日500トン、休む間もなく加工し続ける。サハリンや極東ロシアから季節労働者を集めて工場を運営している。
普段はギドロストロイ社で働いているビクトルはこう語る。(ブログ日暮れて道遠しより)
「この島はギドロストロイが所有しているようなものです。ベルコフスキーさんと張り合おうなんて考える人間はいません。島ではどこの家でも家族の誰かがギドロストロイで働いています。あの会社はまさに怪物です」
択捉島の漁獲高の75%はギドロストロイ社のもの。
ほかに建設部門があり、ジムのついた体育館や中学校を建てたりしている。
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この会社のおかげで択捉島の給与水準は国後島より高いが、ベルホフスキーはインフラや公共サービスの充実にむしろ力を入れているようだ。
こう見ると、択捉のロシア人は決して日本に併合されたいと思っているわけではなく、今のままでそこそこ満足した生活を送っているといえそうだ。
このへんに、3.5島返還論などが出てくる原因があるのかもしれない。
紗那の商店街。ブログロシアが気になるより。
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商店の外観。HP択捉島クリリスクから
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ビザなし交流での見送り。インフラの貧困に比べると、個々人は生活はそれなりに充実しているようだ。
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こうして見ると北方領土問題は返還運動が成功したら成功したで、国内に2万人近いロシア系日本人、または在日ロシア人を抱えることを意味することがわかる。
高齢化した元島民の望郷の念と、戦後60年住んで、ここを故郷としているロシア人の愛着と、どちらが重いか比べることはできない。どちらも同じように、軽視できない感情なのである。

外務省は北方領土との経済交流は極力避けることで、四島の経済を立ち遅れさせ、日本への返還要求が地元から湧き起ってくるのを待っていたようだが、ギドロストロイの成功で、その戦術は失敗した。

私はサハリンも北方領土も、ついでに極東ロシアも、経済交流と文化交流と人的交流を徹頭徹尾深め、日本がなくては極東ロシアの経済はまったく立ち行かないという依存症にしてしまうことが、最終的には最も国益にかなうのでないかと思っている。
幸い、ロシア人は日本人に対して、一方的に好感を持つと同時に、中国人に対して強い警戒心を持っている。
ここは、プーチンとメドヴェージェフが、政治的になんとか北方領土問題を解決してしまおうと考えている間に、少なくとも国後、色丹、歯舞だけでも返還を受け、択捉は保留にして平和条約を結び、ビザなし渡航をロシア全土に広げてしまうという戦術でどうだろうかと思うのだが、いかがなものだろうか。

最後にまた景観を見てみよう。択捉島遠景。
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白い断崖。後藤昌美氏のphotoより。
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海辺の奇岩あれこれ(ロシア人の写真家HPromadanより)。
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前回はこちら。
写真で見る「北方領土」〜クナシリ編〜

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