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zoom RSS 投資ファンドと90年代

<<   作成日時 : 2010/09/27 00:01   >>

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NHKドラマ『ハゲタカ』再放送を見たあとで、あの頃…拓銀がつぶれ、山一證券がつぶれ、橋本内閣が退陣した後の時代を思い出した。
不動産取引がすっかり冷え込んで、銀行が膨大な不良債権を抱えていた時代に、ハゲタカと呼ばれた外資が、銀行からバルクセールで玉石混交の債権をまとめ買いした。彼らはあの時点では、銀行にとっては救世主だった。
彼らは抵当権を実行して取得した不動産については、売れるものはすぐに転売していた。筋のいい物件については莫大な利益が転がり込んだはずだ。
ただ、売れないものはヤクザがらみの筋の悪い物件ばかりという噂があった。事情を知らない外資がわけもわからず買ってババをつかまされたのだと。残りをどうするのかと見ていたら、ファンドに組み込んで小口証券化して売ってしまった。

あの頃の日本は、不動産の評価のほとんどが、近隣の似た売買事例を元にしていた。不動産鑑定評価基準でいうと、「取引事例比較法」だけが使われていて、賃料相場を元に物件の価値をはじき出す「収益還元法」は理論としては知られていても、使われることはほとんどなかった。
ところがその収益還元法を駆使して、土地だけでも相当高い物件を「0円」評価しつつ、売却しづらい物件を小口証券化して処分または収益化してしまう外資の登場の衝撃は大きかった。

その後、外資をまねて収益還元法を元に不動産評価をする会社が急増し、同時に日本の不動産業界にも「アセット・マネージャー」「プロパティ・マネージャー」を名乗る人々が続々と登場した。
「アセット・マネージャー」は不動産を金融商品として扱う人々だ。ファンドに組み込んである物件の収益を検討し、利回りの悪い物件は売却し、優良な物件を安く購入してファンドの資産価値を高める仕事をする。と同時にファンドへの投資家に対し利回りなどを情報公開していく。
ただ、不動産を金融商品として扱うために、不動産の維持管理については、最小限のコストを追求する。見えない設備が多少不具合でも、そのままなんとかなるのなら決して修繕しない。分譲マンション等と同じように、長期修繕計画を作成するが、賃料のアップや維持に結びつかないリフォームについては、極力先延ばしすることをポイントにしていた。日本人の美質といわれる「ものづくりへのこだわり」はまったくない。むしろそのようなこだわりは損得勘定の邪魔になるとされ、見えないところにこのような瑕疵があるから直しておくべきだという技術者の進言はほとんど無視されていた。

ハゲタカの上陸後、デューデリジェンスという言葉も流行った。会社や不動産の査定、という程度の意味だ。
会社のデューデリについては、私もM&Aのときにやったことがあるし、建物のデューデリの結果報告書については、ある機会に見たことがある。
会社については、簿外債務や将来不利益を招くような契約の有無、損失を招きかねない資産の有無などを、限られた時間内に徹底的に調査する。
建物についても、相応に立派な報告書が作成されるが、見えない設備の不具合については、故意なのか気づいていないのか、書かれていないことのほうが多い。給水ポンプ2台のうち1台が故障していて、もう1台が故障したら断水するというリスクがあるのに、とりあえず給水できているから問題なしとしている場合などが代表的なものだ。

ハゲタカが上陸して、不動産市況が動き出し、都心部の土地が下げ止まったことは大きかった。
しかし、英米系の資本主義の特徴としてよく言われる「金儲け第一主義」「長期的な視点の不在」が、ここで大きく露呈したといえる。

外資系の信託銀行やアセット・マネージャーに不動産の証券化のスキームについて聞くと、
投資家による匿名組合をつくり、
タックスヘヴンであるケイマン島に特別目的会社(SPC)をつくり、
特別目的会社がアセット・マネージャーとAM契約を結び、
特別目的会社が地権者と信託銀行との間の信託契約を引き継ぎ、
信託銀行がプロパティ・マネージャーとPM契約を結び、
プロパティ・マネージャーがテナントと賃貸借契約を結ぶ
という複雑さで、
その中に横文字の会社が山のように出てきて、
どこで騙されているかわからないという怪しさ満載のスキームだった。

いずれにせよ、不動産を金融商品として見、短期の回収を目的とするという点では、前回言及したワンルームマンション業者と、実はよく似た思考パターンの人々だったのだ。

金儲けはできる。しかし、自分達の仕事にこだわりやプライドは持ちづらい。
この人達のおかげで、不況下の不動産業界に資金が流れ込むようになった。
それはよかったが、今でもこの種のドライな思考パターンにはなじめない。
そして、このなじめなさは、これからもおそらく変わることはないだろう。

金融の自由化と外資の上陸後に、日本のあちこちの業界で、このような価値観の衝突が起こった。
そして、日本社会は確実に、少しずつ変質した。
それがよい方向だったのかは、正直わからない。
しかし、これがグローバル化というものであり、逆戻りすることのできないプロセスだったのだと思う。

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