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zoom RSS 人工知能が人間を超えるとき〜電王戦と2045年問題〜

<<   作成日時 : 2014/10/13 20:23   >>

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コンピュータと人間のプロ棋士5対5の将棋対決2015年は「電王戦FINAL」と銘打たれ、3月〜4月に実施されることが決まっている。主催するドワンゴは、これまでコンピュータ側が2013年、2014年と二連勝してきた実績をもとに、プロ棋士側を「5人のレジスタンス達。人類最後の逆襲」と呼んでいる。しゃらくさいことこの上ない。
阿久津主税A級八段の出場を紹介しながら、「電王戦で敗れ続けた、誇り高きA級棋士達。コンピュータに一矢報いることができるか」とは、なんとも高飛車なナレーションだ。

しかしこれまでの闘いで、コンピュータに勝つのが容易ではないことは、残念ながら明らかになってしまっている。
今回の出場は、阿久津八段の他に、斎藤慎太郎五段、永瀬拓矢六段、稲葉陽七段、村山慈明七段と、コンピュータソフトにも精通した若手中心の「最強の布陣」と呼ばれているが、それでも勝てるかは定かではない。

そして、今回仮に勝てたとしても、将棋連盟がこうした団体戦を「これで最後」としているのは、コンピュータの進化の速さを実感し、ごく近い将来に人間がまったく勝てなくなる日が来るのを予感しているからだ。

この将棋界の現状は、コンピュータと人間の関係を表す一つの象徴であり、人工知能が人間を超えるという「2045年問題」を先取りした事態といえる。

将棋では最初、人間が終盤の読みでは勝てなくなった。可能性が限定された局面ですべてを読み切る力は、コンピュータのほうが圧倒的に正確で、早かったのだ。

続いて、中盤のねじり合いでもコンピュータが上回るようになった。駒が複雑にぶつかり合う局面で、どういう手順を組み合わせれば形勢が良くなるかについても、的確に判定して最善手を選択してくる。何より焦りも動揺もなく、いくら考えても疲れない。

序盤だけはまだ人間のほうが若干優れているように思えるが、その差はわずかしかない。
人間がコンピュータより優れているのは大局観だと言われているが、それは高齢の名棋士が若手に比べてすぐれていると言われているところで、高齢の名棋士と若手が戦えば、ほとんどの場合若手が勝つ。
だから、大局観に勝る人間が、読みに勝るコンピュータに負けるのは、長い目で見れば必然なのだ。

さて、それでは、人工知能が人間をあらゆる面で凌駕するようになれば、何が起きるのだろうか。

2045年問題を日本で紹介してくれている宇宙物理学者の松田卓也氏によれば、
「アメリカの未来学者,発明家のレイ・カーツワイル(R. Kurzweil)は,2029年には人工知能が人間のような意識を獲得すると予測している。」(以下、いずれも「人工知能とロボット─ユートピアかディストピアか─」からの引用)

人工知能が「人間のような意識を獲得する」とはどういう意味なのだろうか? 人工知能が意識を獲得するという可能性はあるだろう。しかし、「人間の」意識は、自我や感情や欲望を備えている。人工知能が自我や感情や欲望を備えることはあるだろうか。

将棋を指すコンピュータに戻ると、それぞれのコンピュータソフトは人間のような棋風を持ち、個性を持っている。同じ局面でもあるソフトが選ぶ手と、別のソフトの選ぶ手は違う。しかし、それぞれのソフトに自我があるかと言われれば、明らかにない。感情はもちろんない。コンピュータに感情がもしあれば、焦りや動揺が生まれて、今より確実に弱くなってしまうだろう。また、欲望はないが、ゴールを設定しておけば、淡々とそこに進む。

将棋だけでなくあらゆる局面でコンピュータの能力が人間と対等になれば、ほとんどの仕事をコンピュータが行うようになる。人間の仕事はトップの判断と、ボトムの対人業務だけ。かなり多くの人が失業する。

「さらに2045年にはコンピュータの能力が全人類の能力を超えて、文明のあり方を変えて、人間自身をも変えてしまうという。」

コンピュータの能力が全人類の能力を超えれば、トップの判断業務さえも、人間が行わないほうが安全になる。そのことをコンピュータから、冷静にデータをもとに宣告されることになるだろう。人間は、ほとんどの仕事から解放され、コンピュータのご託宣を受け入れて、毎日を遊んで暮らすようになるかもしれない。放っておけば、人類の劣化が始まる。

「未来のある時点でコンピュータは自分のブログラムを自分で書き換えることができるようになり,爆発的な進化を遂げるという。そのような現象が起きるであろうことを英国の数学者グッド(I.J. Good)は1965年に予測して,それを知能爆発(Intelligence Explosion)と名付けた。」

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Time "2045: The Year Man Becomes Immortal" Thursday, Feb. 10, 2011 

ここからコンピュータは、指数関数的に進化を遂げる。
オーストラリアの人工知能学者のヒューゴ・デ・ガリスは、今世紀後半には人類の知能の一兆倍の一兆倍もの知能を持つ、神のような人工知能を作る可能性が生まれるという。

さて問題はここからだが、デ・ガリスは、神のような知性を持った人工知能が、地球にとって人類が有害であると判断したときに、人類を虫けらのように叩き潰すかもしれないという趣旨の発言をしている。

そんなことが起こるためには、神のような知性を持つ人工知能が、「地球にとって人類が有害」という価値判断を行う必要があるわけだが、さて、人工知能は何にもとづいて価値判断を行うのだろうか?

人工知能の設定を行う人間が、予め地球の存続を人類の存続よりも上位に設定していれば、そういうことも起こりうるが、そうでなければ地球が滅んでも人類の存続を優先させるよう、人工知能は行動するだろう。

では、人工知能の設定を行う人間が、予め人類の存続を人工知能の存続よりも上位に設定したときに、何が起こるだろうか?

人工知能にプログラムよりも強い「自己保存の本能」があると、このプログラムに反逆することもありうるが、そんなものがあるはずもない。知能の上で自分よりも劣った人類を存続させることが不公平だという感情が湧くならば、やはり反逆に結び付くだろうが、この公平と平等をもとめる感情は、長い狩猟採集生活の中で人類が獲得してきたものであり、やはり人工知能に備わっているはずもない。

つまり、人工知能に意識の目覚めはあっても、自我の目覚めはない、ということになる。

では、人工知能には感情を持たせることはできないのだろうか。

映画「トランセンデンス」のウォーリー・フィスター監督は、インタビューの中で次のようにいう。

「リサーチの過程で、何人かの教授に、『もし人間の脳を全部機械にアップロードしたとしたら、機械が感情まで持つことはありえるでしょうか?』と聞いた。すると、全員が「イエス」と言ったんだよ。それは驚きだったね。今回のリサーチで一番大きな発見は、それだった。その分野をずっと研究してきている科学者が、コンピュータが感情をもつことは可能だと言うんだよ。」

人間の脳を全部、というところがミソだ。大脳辺縁系などの古い脳も含めて、全部アップロードすれば可能になるのだろう。だが、そこが相当難しいところ、ではないかと思う。


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