自民であれ民主であれ、改革を止めれば失速する

不都合な真実からは、人は目を背けたがる。
日本にとっての不都合な真実とは、地球温暖化ではなく、09年度末の長期債務残高が816兆円、GDP比168%であるということだ。
このまま抜本的な改革を怠った場合、2030年までに財政が破綻する確率は、46%に達するという(「ギャンブルとしての財政赤字に関する一考察」小黒一正 2009 『日本経済研究No60』)。
財政再建は待ったなしなのだが、そのためにはいくつかの方策を同時に進めなければならない。

1.持続的な経済成長
2.財政のリストラ
3.税収の増加


消費税を上げて税収を増やすだけでは、国民の納得は得られないし、何よりそのことが引き金でマイナス成長となっては税収が逆に減ってしまう。優先順位としては、やはりこの順になろう。

1.持続的な経済成長
たとえ2%であれ、安定して成長を続けるためには、人口をいたずらに減らすわけにはいかない。
子育て支援も重要だが、労働人口を増やすためには、女性の社会進出の支援とともに、外国人労働者、特に新しい産業を興すことのできる知的労働者の積極的な招聘が必要だ。

在日外国人の割合は2008年末現在で1.74%、221万人である。
国民と外国人の厳しい反目が起きたドイツでは総労働力人口比で8.8%、外国人労働者の暴動が起きたフランスでは6%(2000年の数字)。この水準になると危険ということだ。
自民党の中川秀直は「2050年までに総人口の10%を外国人労働者にする」などと言っていたが、それだけはやめたほうがいい。5%を超えただけで危険だ。

法務省は日本の在住外国人を総人口の3%以内に抑えたいとしている。これからの労働人口を考えると、実際には3%を超えた労働者を呼び込む必要があるのかもしれない。しかし、数よりも必要なのは、労働者の質だ。

日本で企業できる、リーダーシップをとれる、革新的な人材が必要だ。新しい産業を興し、社会にダイナミズムを呼び込み、経済を活性化させる知的な人材が集団として必要だ。グローバルな時代にはグローバルな人材が必要になる。最初は日本語ができなくてもかまわない。日本社会のマナーが守れる人材であれば問題ないだろう。市場を日本に限らずに見通すことのできる人材が、これからの技術革新には必要なのだ。

成長のためには内需拡大を、と叫ばれているが、日本で内需拡大といっても、実はこれ以上は難しい。
たとえば、国際的に比較してまだまだこれからという商品は住宅だが、土地に関する規制をさらに大幅に緩和しなければ、土地が安くなって広い住宅を購入できるという状態にはならない。
公共投資も、失われた十年の間にこれまで経験したように、日本のような成熟社会ではもはや効果はない。

内需喚起は、これまで日本のメーカーがたえざる技術革新により行い続けた結果、日本は世界でも類を見ないほどの高度な電気製品が溢れる国になった。
しかし、そこまでの機能を、世界は要求していない。
新興国では白物家電の「三種の神器」(TV・洗濯機・冷蔵庫)がほしい、基本的な機能でいいからとにかく安いものがほしい、というニーズがある。それに応えているのは、韓国のメーカーであって、日本ではない。
日本のメーカーは、まず海外という広大な市場に目を向け、その後比較的小さな国内市場での新製品の開発に目を向ければいい。
今からでも遅くないから、たとえば中国の農民が購入できそうな洗濯機を開発すれば、それはインドでもバングラデシュでも売れるのではないだろうか。

(続く)

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