中国の格闘技・散打の王者は誰か

中国の格闘技で一番裾野が広く、実力者がひしめいているのは、散打だろう。立ち技の打撃系だが、投げOKで、投げのポイントが高い。
散打王は誰か? という中国語の掲示板にいつも出てくる伝説的な存在は、柳海龍だ。
2006年に引退して、3年ほどビジネスをしていたが、2009年1月に、シュートボクシングの伊賀弘治の挑戦を受け、復帰して判定で勝利を飾った。漢人で、観客にアピールする力があり、蹴りも投げも強く、人気は絶大だ。
この試合、柳海龍にとってはリスクが大きくメリットは少なかった。新聞に次のように書かれていたくらいだ。
「どの角度から見ても、柳海龍にとっては失敗は許されないものである。 これは、彼個人の名誉に関わるだけでなく、中国カンフーの名誉にも関わるものだからである。 最低限度、中国本土で行われる最高クラスの中国カンフーVS外国の各種格闘技の対抗試合で、中国カンフーはまだ一度も負けたことがない。」(広州日報2008/12/8

勝ってほっとした、というのが正直なところだろう。
画像

ところが2009年4月に、桜庭和志が、「伊賀は強い選手ではないが、柳が中国で有名なら対戦してみたい」と勘違い発言をしている。(サーチナ 2009/4/7)全文はこう。

“5日付の中国紙「新快報」によると、日本の格闘家、桜庭和志が中国のポータルサイトのインタビューに対し、中国武術は「動きは美しいが攻撃力はない」と発言、中国武術界に波紋を呼んだ。これに対し中国の武術格闘家、柳海龍(リュウ・ハイロン)は、「言わせておけ、自分の敵ではない」と一蹴(いっしゅう)した。
  中国のインターネットサイト「新浪」香港版は4日、桜庭和志のインタビューを掲載した。桜庭は、「知っているのはブルース・リーとジャッキー・チェンくらいで、中国武術には詳しくない」としながらも、「動きは美しいが、攻撃力はない」と発言。中国武術界に波紋が広がった。
  中国の武術格闘家、柳海龍は、「中国武術は徳で相手を信服させるもの。我々は日本の選手と何度も対戦し、勝利している。事実は明らかなのだから、(攻撃力について)議論で勝負する必要はない」と語った。
  柳海龍は、「散打(サンダー)」と呼ばれる競技のチャンピオンで、若者層を中心に人気が高い。「散打」は「散手(サンショウ)」とも言い、中国武術では組み手やスパーリングにあたる、素手で戦う試合。競技として発展してきたのは最近だが、武術としては長い伝統を持ち、人民解放軍の訓練にも採用されている。
  2009年1月に行われた試合で、柳は日本の伊賀弘治と対戦し、勝利した。インタビューで桜庭は、柳海龍に関しては知らないとしながらも、「伊賀は強い選手ではないが、柳が中国で有名なら対戦してみたい」と答えていた。
  一方、柳は「桜庭のことは知らないし、自分は希望すればすぐに戦えるような相手ではない」と一蹴。「中国武術は選手層も厚く、優秀な新人も大勢出ている。まずは彼らと戦って、実力を示してから自分に挑戦してはどうか」と余裕を見せた。”

柳海龍は佛山市での2004年6月26日の極真会との5対5の対抗戦に、80kg以下級の中国代表として出場している。これはそのときのビデオ。この頃が全盛期。2RでKO勝ちしている。柳海龍はその他アメリカ人やムエタイの選手とも戦って勝っている、常勝将軍だったのだ。だから桜庭とのやりとりでも、桜庭のほうが分が悪い。中国で柳海龍を知らないのは、日本で魔沙斗を知らないよりひどい。



上記の対抗戦は全体でも散打ルールということもあって、中国側が5-0で完勝している。ダイジェスト版はこちら。

極真はやみくもに前に出られ、つかまえらえて投げられて負けている。散打ルールではどうにも分が悪い。

シュートボクシングもやはり過去2回、散打との対抗戦を中国で行って、散打ルールで5-0で全敗しているらしい。
2002年には、日本にやってきた鄭裕蒿(ジョン・イーゴ)にいきなり準優勝されてしまっている。
(ただ2007年に行われた日本での散打との対抗戦では、SBルールで日本側が4対1で勝利している。)

最近では「2009世界功夫王争覇戦」が7月に開かれたが、2004年の極真会との対抗戦のような豪華メンバーではなく、辺茂富が出て、決勝で同じ中国人の于錦と闘って優勝。日本の寒川直喜やムエタイのガオグライ・ゲーンノラシンも出ていたけど、やはり投げられて負け。
柳海龍が「層が厚い」と言っているのは、この現状をそのまま語っているにすぎない。

柳海龍とほぼ同等の力量があると思われるのは、宝力高だ。
宝力高も極真会との対抗戦で75kg以下級の代表として出場し、投げまくって勝っている。
柳海龍vs宝力高の動画を見ると、前に出る圧力は宝力高のほうがむしろ上回っている。
http://v.ku6.com/show/D91mHDnJGSHuD_-5.html
試合巧者の柳海龍に、最後投げられて判定負けしているが、紙一重の勝負だ。
人気がいまいちなのは、彼が蒙古人で、観客へのアピールがあまり得意ではないせいだろう。

散打の選手のパンチが雑に見えるのは、もともと散打では「顔面への連打禁止」とされていたからで、弱いからではない。投げ禁止のルールだとクリンチがやたら多く見えるのも、もともと投げを主体に競技が構成されているからで、逃げているわけではない。
同じように投げを採用しているシュートボクシングやムエタイでなら、これからもどんどん活躍できる強い選手が出てくるはずだ。期待して見てみたい。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • レイバン ウェイファーラー

    Excerpt: 中国の格闘技・散打の王者は誰か 地球大に考える/ウェブリブログ Weblog: レイバン ウェイファーラー racked: 2013-07-05 20:24